おやまのおうちでは、畑と田んぼで作物を育てたり、ヤギを飼ったりしています。
田んぼではお米を育て、畑では一人ずつ好きな野菜を育てます。(無農薬)
畑で育てた野菜や野菜クズ、田んぼで育てた稲の藁や米ぬか、敷地内の草はヤギのナナ君の飼料になります。
お米の籾殻はヤギ小屋の敷料に。
そうやって作物のうち、人間が食べれないものはヤギのナナ君に食べてもらい、うんちやおしっこにしてもらいます。
そのうんちやおしっこを使って、堆肥を作り、また畑や田んぼに使います。
これは、かっこよく言えば循環農法という形ですが、いわゆる昔ながらの日本の里山の知恵です。
子どもにはちょっと難しい話なのですが、自分と大地と家畜と自然との「つながり」の実体験として学んでいきます。
「美味しい野菜、美味しいお米を育てて食べたかったら、ナナ君にも美味しいものを食べさせてあげよう」と、餌くれだけでなく、大変なヤギのお世話(ヤギ小屋の掃除)も自分から買って出てくれます。
一つの野菜を育て食べることで、収穫体験だけでなく、1年を通した体験が美味しさや感謝に繋がっていくのです。
昔の日本人がみんな知っていた「生きた学び」がある、おやま“つながり”農園です。
今、世界から注目されている日本の文化です。
「里山」のことです。
手付かずの自然ではなく「管理された自然」という概念です。
日本人は昔から自然と共存して生きていくために、自然と人家の間に「管理された自然」を作って生活していました。
森、林、畑、田んぼ、川など、自然からの恵みを得るため、整備し維持してきました。
生き物達も里山の環境に依存して心地よく暮らすことができました。
また、野生動物との緩やかな住み分けも里山によって行なっていました。
実はこの里山は、日本独自のものなのです。
自然を大事にしてきた日本ならではの里山は、今では世界で注目される人間と自然の共存の術です。
気候変動、過疎化による遊休荒廃地の増加、外来種の増加などによって、自然環境が変わりつつある今、
現在残っている豊かな自然環境をどう守り、子ども達にどうやって残していくか。
私たち大人が考えなければいけないことですよね。